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プロフィール
1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。 「希望の轍」演奏 「上からマリコ」演奏 「Voyage」演奏 「スター・ウォーズ」演奏 ブログパーツ
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『日本人とリズム感』(樋口桂子/青土社、2017)
☆☆★★★ 「あなたはリズム感が悪すぎる! 」、突きつけられた衝撃の一言。 どうしてリズム感が悪いのか。そんな素朴な疑問からはじまったリズムの謎をめぐる冒険は、文学・絵画・歴史・文化・風土などあらゆるジャンルを横断して、西洋とはまったく違う日本独自のリズムの正体を明らかにしていく。 リズムをめぐる謎から描き出される、驚きと発見の日本文化論。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 著者は、名古屋大学文学部卒業、東京芸術大学美術研究家博士課程修了。現在は、大東文化大学国際関係学部教授(美学)という先生。 冒頭にあるように、レイトスターターとしてチェロを習われた際、音大卒の若い先生からある日突然「リズム感が悪い!」と激怒され、以降、開放弦をひたすら弾くという練習をしたとか(あとがきより)。また、まえがきでは、30年以上も前、イタリア在住歴の長い友人と、その知人のイタリア人と一緒にタクシーに乗っていた際、当該友人はイタリア語は流暢ながらも、イタリア人と比べて、頷き方が違うことに気が付いた。知人は、日本流に、縦に頭を振り下ろすのと対照的に、イタリア人はそもそも頷く回数も少ないばかりか、頭を上に振り上げるように頷く。この違いは何なのだ?というあたりから本著が生まれたようです。 著者の結論的見解は早くに示され、日本人は、農耕作業を一緒にやることを通じて、二拍、四拍の拍子で、しかも冒頭にアクセントがある。それが皆の作業を合わせるのに都合が良いので、伝統的にこの拍子の取り方が身に付いてしまったのだ(ナンバ歩きも同様)。 一方、狩猟時代が長く、ダンスや声楽の文化の違い、さらに一番肝心な言語の違いから、欧米では裏拍(アウフタクト)が当たり前のリズムになった。名詞の前に(普通は)冠詞が付く言語が多いため、冠詞の部分が裏拍になるのですね(ワタクシ的に例を挙げると、ビートルズの”The Long and Winding Road”、歌い出しの”The”は、確かに裏拍になっている)。 ただ、ここまでの拍子やリズム感の解説は良いのですが、著者の議論はどんどん拡散し、日本語のモノとコト(と欧米語の対応語)の意味するところの違いとか、指示代名詞の「ソ」(それ、とかです)が指す意味合いとか、近代絵画では日本では敢えて中景を「無」にして、そこに意味を込めるのに対し、欧米では中景も描くとか、リズム感とは直接関係ないのじゃないの?的な話が(結構小難しく)展開される。再度リズム感の話に戻っても、上記の「結論的見解」の繰り返し。 そういう意味で、確かに幅広い「日本文化論」にはなっていますが、読者としては、リズム感を深掘りした話を聴きたかった。 ▲
by sergeant_cooper
| 2018-03-16 06:49
| 書籍・映画
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