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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『大分断 格差と停滞を生んだ「現状満足階級」の実像』(タイラー・コーエン/NTT出版、2017)
☆☆☆☆★ 安定・安全志向が強く、変化を嫌う「現状満足階級」の台頭が分断を拡大させ、イノベーションを減退させる。社会階層の流動性はなぜ失われたのか?デジタル技術がなぜ格差の拡大を生むのか?開拓者精神を失った世界はどこに向かうのか? 全米ベストセラー『大停滞』『大格差』で論争を呼んだ経済学者が、「変わらない時代」の快適さに警鐘を鳴らす。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 著者は、1962年生まれ。ハーバード大学にて経済学博士号取得。ジョージ・メイソン大学経済学部教授・同大学マルカタスセンター所長。「世界に最も影響を与える経済学者の一人」(英エコノミスト誌)とのことです。 上記にあるベストセラーはいずれも読んだことがなく、著者の本はこれが初めてなのですが、アメリカが(意外にも)安定・安全志向が強まり、変化を嫌う「現状満足階級」が増え、これがひいてはイノベーションの停滞、社会の活力の低下を生んでいると警告しています。こういう議論は初めて目にしました。あのアメリカが、こういう状態なのですか。 著者によれば、 「アメリカ社会があまり変化せず、リスクを避けたがるようになってきた要因を論じてきた。財政が硬直化し、民主主義のプロセスが蝕まれていること、移住が不活発になったこと、生産性の高い都市にあまり新しい建物が建ちにくくなったこと、所得と社会的地位による社会的分断が進んだこと、安全とリスクへの関心が高まったこと、子どもが過保護になったこと、新興企業の設立が減り、生活水準の上昇ペースが鈍化した」 ことを、本著で論じたとのこと。 かつてフランスのトクヴィルが活写したようなアメリカの活気は失われ、危惧したような停滞が訪れた。1960~70年代のような、過激とも言える大衆の活動、デモ、学生運動は影を潜め、格差で分断された人々は、まるでその既得権に安住し、安定を志向する。結果、高所得の人はそのグループで固まってしまい、低所得の人は、上昇気流に乗れない。いわゆるアメリカン・ドリームは、もう、ない。 これに対し、もちろん著者は「希望はある」との最終章を書いています。例えば、トランプ大統領が当選したのも、硬直化した風潮に対する反逆だったのかも知れない。 が、本著の末尾は、以下で締め括られています。 「とはいえ、未来への希望もある。今日のアメリカには、いまだかつてなく大勢の優秀な人材がいる。その才能を活用できていないだけだ。では、どうすれば、イノベーションの精神と活力を取り戻せるのか?私は、その道のりが険しいものになると思わずにはいられない。」 米国に限った話ではなく、著者はEUも同様だと触れているし、同じことは、日本にも言えるかも知れない。社会が平穏無事なのは良いこと、良い未来を築けた結果かも知れませんが、その副作用が、こういう形で出てくるのか。どこかで「ガラガラポン」すれば済む、というほど、壮大な社会実験をするわけにもいかないし、一体どうなるのだ!?
by sergeant_cooper
| 2019-09-14 05:41
| 書籍・映画
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