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プロフィール
1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『カササギ殺人事件 上・下』(アンソニー・ホロヴィッツ/創元推理文庫、2017)
☆☆☆☆☆ 【年末ミステリランキングを全制覇して4冠達成!ミステリを愛するすべての人々に捧げる驚異の傑作】ミステリ界のトップランナーが贈る、すべてのミステリファンへの最高のプレゼント! 1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは…。その死は小さな村の人々へ徐々に波紋を広げていく。消えた毒薬、謎の訪問者、そして第二の死。病を抱えた名探偵アティカス・ピュントの推理は? 現代ミステリのトップ・ランナーによる、巨匠アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ作品!(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 週刊文春ミステリーベスト10、2018年海外部門第1位。 2018年の週刊文春ミステリーベスト10、海外部門第1位です、順番を待ってようやく読みました。 タイトルは地味だし、舞台設定は1955年7月で、イギリスの田舎の村だしと、一体どういうエキサイトメントがあるのだろうか?とやや訝りながらも読みました。 結論を言うと、そういうことですか~!、こんなにも計算され尽くしたプロット、初めて読んだかも知れない!、という驚きでした。 そもそもですが、本作、「アラン・コンウェイ」なる作家がシリーズ化して人気を博した「私立探偵アティカス・ピント」の最終作として語られます。なので、上巻の冒頭と下巻の大半は、「ピントによる事件の謎解き」からいったん離れて、コンウェイなる作家の担当編集者であり「語り手」でもあるスーザン・ライランドになります。つまり、「ピントによる謎解き」と、それを外から包む「スーザンによる謎解き」が「入れ子構造」になっているのです。 まず、ピントによる謎解きから触れると、古い閉鎖的な田舎町で起きた事件。村人たちが、誰もがそれぞれ、それなりに怪しく、動機を持っていると言える。その中から真犯人を推理して名指しするというのは、「オマージュ」とあるように、往年のクリスティらの謎解きの世界です。 次に、スーザンによる謎解きについて。 実は、上巻の最後で、「ピントによる謎解き」がいったん終わります(=犯人を名指すが、理由までは説明されない。)。丸々下巻が残っているけど?と思いながら下巻に進むと、何と、ピントのシリーズを書いた「コンウェイ」が自殺(実は他殺)されてしまい、スーザンらも、結論部分がないミステリ原稿では、出版できないではないかと困り果てるのです。 しかし、コンウェイの死に疑問を持ったスーザンは、これが「ピントの謎解き」と酷似していることに気づき、コンウェイの自宅のある村を訪れ、探偵役となって訊き込み調査。そして、コンウェイが他殺であること、紛失したと思われていた「結論部分」の原稿を発見。そして、コンウェイを「殺した」犯人を、名指しします。何ということだ! で、ようやく話はまた「ピントによる謎解き」に戻り、晴れて見つかった結論部分の原稿が、プロットに戻ってくる訳です。 この二つの「謎解き」とも、古典的なフーダニット・ミステリそのもの。人名や手掛かりにもそれとなく伏線を張りまくり、読者を五里霧中の世界に誘います。また、架空の人物であるピント、それにコンウェイ二人とも、余命いくばくもない病を抱えているという設定で、ここまで「入れ子構造」を徹底させている。 スーザンによる謎解きの作中では、(スーザンは、ミステリ編集者であるので)欧米の有名なミステリ作家や探偵、刑事の名がどんどん出てきます(モース警部やヴァランダー警部も)。こういう趣向も、私のようなファンにとっては、嬉しい。 実は、週刊文春ミステリーベスト10の海外部門の作品中、本作を最後に読みました。2位以下の作品も、相当に凄い出来だったので、一体1位の本作は本当にどれほど凄いのか?と思っていましたが、確かに、この「仕掛け」を読まされると唸らざるを得ない。あっぱれでありました。
by sergeant_cooper
| 2019-03-19 05:57
| 書籍・映画
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