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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『サンクトペテルブルクから来た指揮者』(カミラ・グレーペ&ポール・レアンダ・エングストレーム/ハヤカワ文庫、2013)
☆☆☆★★ 2003年、ソ連崩壊後のかつてない経済成長に沸くロシア。故郷スウェーデンを離れてモスクワの投資銀行に勤めるトムは、大手石油企業の買収プロジェクトに携わるチャンスを得る。しかしトムが株売却の斡旋をした大富豪が何者かに惨殺され、さらには小口株主だったトムの親友の弁護士フレドリクが爆弾テロで命を落とす。立て続けに起こる事件との関連を検察に疑われたトムは、しだいに厄介な立場へと追い込まれ…。 背後で暗躍するロシア経済界の黒幕とは?金融のエキスパートが放つ あまりにも生々しいサスペンス!(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 作者らの本を読むのは初めて。北欧ミステリですが、舞台は徹底してモスクワ。エングストレームが草稿をグレーペに持ち込み、大幅に改訂して共著となったとのこと。 タイトルからは離れますが、一応要約すると、 1)新興財閥かつ世界第四位の石油企業ルーシオイルを率いるロマノフは、ネフトニカという石油企業の株式49%を手に入れて、さらに2%を買い増し、買収しようとする。 2)が、49%の売り手である富豪のグセフは、売った途端に何者かに惨殺された。また、2%を保有していたのは、ルーシオイルのアドバイザーを務めることとなったトムの友人フレドリク。しかし彼もまた、売る直前に自爆テロに見せかけて殺された。 3)政界に打って出ようとするロマノフの陰謀だろうとして、ロシア大統領府と検察庁は、(国策捜査的に)ロマノフを潰しにかかるが、最高検察庁検察官のスクロフとトムには、何故ロマノフが売り主を殺すのか、動機がわからない。 4)その動機というのは、売られたくない当事者、つまりネフトニクのもう49%を保有する謎の人物の差し金だった。 その人物とは、限財務大臣のストレルカ。彼が「サンクトペテルブルクの指揮者」名義でネフトニク株を保有し、かつてフレドリクに汚い仕事をさせて縁だったのだ。フレドリクは、ストレルカに法外な値段を吹っかけて殺されたのだ。 ということであります。 ミステリとしてのプロットはまぁともかくとして、分断された福祉国家の病巣を描く北欧ミステリ作家が、敢えて資本主義に湧くロシアを舞台にしたという点が目新しい。 がですね、私も旧ソ連時代に合計4回、彼の地を観光旅行したので何となく理解しているつもりですが、どうもロシアの「空気感」というか「雰囲気」が、うまくはまらない。 もちろん、私の知っているモスクワはもう30年以上も前。あれから旧ソ連が崩壊し、何でもありの資本主義体制になり、どんどん変わってきているでしょうから一概には言えないとも思いますけど、「何でもあり」の部分は確かに(旧ソ連時代と)通底するロシアだとしても、ちょっと現地の描写が、今ひとつな気がします。 主人公役のトムやフレドリクがスウェーデン人の設定で、西側の視点からモスクワを見ているからでしょうか。 さらに言えば、タイトルの「サンクトペテルブルク」から来た指揮者、って何?と思いますが、結局は名義上の隠れ蓑だけの存在で、あまり本題には関係なかった。ロシアを描くのなら、もう少し、現地感を出して欲しかった。
by sergeant_cooper
| 2018-11-10 05:22
| 書籍・映画
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