検索
プロフィール
1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
カテゴリ
タグ
NFL(540)
ライブ(220) 広島市(76) 試乗(75) 浜崎あゆみ(72) クラシック(69) 海外ドラマ(64) 中央線(62) けっとちゃっぷ(62) ジェフリー・ディーヴァー(53) ピアノ(50) ロシア(49) ラジオ(49) マイクル・コナリー(48) 内田樹(43) 以前の記事
最新のコメント
最新のトラックバック
ライフログ
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
『国体論 菊と星条旗』(白井聡/集英社新書、2018)
☆☆☆☆☆ 自発的な対米従属を、戦後70年あまり続ける、不思議の国・日本。この呪縛の謎を解くカギは、「国体」にあった!「戦前の国体=天皇」から「戦後の国体=アメリカ」へ。 気鋭の政治学者が、この国の深層を切り裂き、未来への扉を開く! ●明治維新から敗戦。敗戦から現代へ。 「国体」を知ると、この150年の歴史が全く違って見えてくる。 ・なぜ、冷戦の終焉後に、対米従属の度合いを日本は深めてしまったのか。 ・アメリカが、現代日本の「国体」に。その「まさか」の歴史的経緯とは? ・万世一系の天皇とその赤子(国民)で構成された「永遠の家族」=「戦前の国体」。 明治維新の時点から、「国体」が抱えていた矛盾とは何か。 ・「天皇崇敬」と「アメリカ崇拝」の相似性。 ・支配されている現実すら、人々が否認してしまう「国体」の本質とは? ●歴史は二度、繰り返す。 ・「国体」が、日本人の主体性をいつも骨抜きにしてしまう理由。 ・日本経済の長期停滞、日本外交の失敗の連続。戦前の失敗に通じる、本質的な原因とは? ・「戦後の国体」から目をそらすと生じる、二度目の日本の悲劇。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 著者が一躍注目を浴びた『永続敗戦論』(太田出版、2013)は、この私も2015年11月に読み、なるほどこういう議論、物の見方があるのかと驚きました。 さて本著ですが、今上天皇の「お言葉」を端緒として、天皇陛下のことを「闘う人間の烈しさだ」、「黙って通り過ぎることはできない」と感じ、本著執筆に至ったようです。戦前は、周知のように天皇制という「国体」があった訳ですが、戦後はその天皇陛下が占めるポジションに「アメリカ」が代入され、つまるところ同じ仕組みが機能しているとする。 戦前の国体は、「天皇の国民」(明治期)→「天皇なき国民」(大正デモクラシー)→「国民の天皇」(超国家主義)へと進み、破局を迎えた。 同様に戦後は、「アメリカの日本」(戦後まもなく)→「アメリカなき日本」(高度成長期)→「日本のアメリカ」(冷戦終結後、日本自らのアイデンティティのためにアメリカを必要としている)へと進み、今や著者の見るところ、戦前と同様、同じような崩壊過程にある。 永続敗戦論とも重なりますが、やや長くなって引用すると、 「対米従属の現状を合理化しようとするこれらの言説は、ただひとつの真実の結論に決して達しないための駄弁である。そしてそのただひとつの結論とは、実に単純なことであり、日本は独立国ではなく、そうありたいという意思すら持っておらず、かつそのような現状を否認している、という事実である」 「ニーチェや魯迅が喝破したように、本物の奴隷とは、奴隷である状態をこの上なく素晴らしいものと考え、自らが奴隷であることを否認する奴隷である。さらにこの奴隷が完璧な奴隷である所以は、どれほど否認しようが、奴隷は奴隷にすぎないという不愉快な事実を思い起こさせる自由人を誹謗中傷する点にある」 「深刻な事態として指摘せねばならないのは、こうした卑しいメンタリティが、「戦後の国体」の崩壊期と目すべき第二次安倍政権が長期化するなかで、疫病のように広がったことである」 どうやら、本著にも、水野和夫氏、内田樹先生、保阪正康氏といった錚々たる人たちが絶賛の書評を書いているようですが、戦前と戦後を「国体」という概念で結びつけ、逆説的、アイロニカルな事態が現在進行していることを露わにしてみせた。 新書にしては厚い、350ページ近い分量ですが、そのとおり、重たい内容です。何よりも、アメリカ云々と言うより、個人的には、今上天皇の「お言葉」に対し、一国民としてどう応えるのか、深く考えないといけないと(著者同様に)思わされました。
by sergeant_cooper
| 2018-08-31 06:02
| 書籍・映画
|
Trackback
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||