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プロフィール
1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『なぜ今、仏教なのか』(ロバート・ライト/早川書房、2017)
☆☆☆☆☆ 甘いものがやめられない、他人の成功が妬ましい、大事なプレゼンでアガってしまう…。現代人は、進化の結果ヒトの脳に備わった「錯覚」に惑わされがちだ。錯覚を振り払い、よりよく生きるすべはあるのだろうか? 答えを求めて瞑想合宿に参加した科学ジャーナリストは、「マインドフルネス」の驚くべき効能と、ブッダの奥深い教えに出会う。認知科学や心理学の最新成果が裏づける、仏教の真価。 (以上、出版社の内容紹介より抜粋) 著者は、科学ジャーナリスト。ニューヨーク・タイムズ紙やタイム誌等に寄稿する。1996年には全米雑誌賞(エッセイ・批評部門)を受賞。現在は、プリンストン大学で宗教学の教鞭を執っているとか。 欧米では、言うところの「西洋仏教」が(意外に)盛んなのだそう。インドや東アジアで細かく分かれた仏教ではなく、瞑想を通じて感覚や自己意識からの「解放」を目指すらしい。著者自身、マインドフルネス瞑想なる合宿に参加して、初心者ながら、何となくわかった。それを詳述したのが本著です。結論から言うと、欧米人の第三者的視点から論じているので、非常に新鮮な仏教観、仏教解説でした。 著者に依れば、人間の行動は(進化心理学的に言っても)狩猟採集生活以来、自らのDNAを子孫に残すように自然淘汰されてきた。その過程で、その結果として、私たちが自分自身の感覚や認識だと思い込んでいるものには、淘汰された結果としてのバイアスがかかっている。 例にあるように、甘いものがやめられないとか、魅力的な異性を見た後では(例えば、金銭的な)判断基準が変わるとか。そういったものは、言わば「妄想」に過ぎない。瞑想を通じて「妄想」から自由になると、物事が捨象され、より本質が見えるようになる。 これも著者に依れば、足の痛みが客観視できたり、鳥の鳴き声がうるさく感じられなくなったり、その後で昼食になると(感覚が研ぎ澄まされて)ただのサラダが、ただのサラダとして味わい深く食べられるようになったり。 本著を読んでいて連想したのは、よく戦争映画で、被弾した戦友に対して「痛みを無視しろ!」を喝を入れるシーン。あれを見て、(アメリカ軍の)兵士は、意思の力で超人的なことをやっているなぁと思ったものですが、瞑想を通じて得られる感覚は、ある意味、これに近いものかも知れない。 また、別な例で言えば、私のとある知人が、自らの半生に真摯に向き合い、あの時何を考えてどう行動していたのか等を掘り下げて考えた。そういう思考を通じて、(例えば)今、「あ、自分は怒りの感情にとらわれているな」等といったことがまるで三次元映像のように上からも下からも横からも「怒り」を客観視できるようになったと言ってました。これも、マインドフルネス瞑想の結果に近いものかも知れない。 私たちが、自らの感情や認識だ、それが自己だと思っているものが、著者に言わせれば、進化の過程で自然淘汰されたDNAが為せる技。DNAにとっては、「自己」にそう感覚させた方が「生き延びやすい」から、そう感覚させているだけなのだ。 そこまで論じられると、煩悩からの解脱という、やや小難しい仏教も、今の科学で十分な裏付けのある心理学/哲学なのだと思えてきます。原題は、”Why Buddhism Is True”。確かに、仏教は真実への途を指し示しているのかも知れない。
by sergeant_cooper
| 2018-08-27 06:01
| 書籍・映画
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