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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡』(一ノ瀬俊也/中公新書、2016)
☆☆☆★★ 2015年、戦艦武蔵がフィリピン沖海底で発見され、世界の注目を集めた。だが、太平洋戦争中の1942年に完成し、44年のレイテ沖海戦で撃沈された武蔵は、敗戦後、長きにわたり半ば忘れられた存在だった。姉妹艦の大和が一貫して脚光を浴び、戦記や映画、アニメなどで繰り返し描かれたのとは対照的である。 両者の差はどこから生まれたのか。建造から沈没までの軌跡を追い、さらには戦後日本の戦争観の変遷をたどる。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 『飛行機の戦争』(講談社現代新書、2017)に先立ち、大艦巨砲主義の象徴でありながら、大和と比して何故か影が薄い武蔵を取り上げた本です。ちょうど2015年にフィリピン沖で武蔵の艦体が発見されたタイミングで書かれたのでしょう。 参考までにAmazonの書評を読んでも、評価は分かれる(と言うか、行いにくい)ようです。著者が議論しているのは、『飛行機の戦争』でも結論されたように、大艦巨砲主義=時代遅れ=武蔵、と簡単に片付けていいのかという点がまず一つ。 既に議論されたように、戦前、戦時中から国民を挙げて飛行機の増産に取り組んでいたのは明らかな事実。これが戦後、大艦巨砲主義だから負けたのだとするのは、言ってみれば、敗戦の責任をあげて海軍上層部に帰し、(当時の)国民に免罪符を与えるようなもの。これは乱暴な話だろうというものです。 二つ目は、なぜ大和と比べて武蔵は影が薄いのかいう点。 戦功少ないまま撃沈されたから、と言ってしまえば身も蓋もないのですが、確かに事実ではある。米軍機の集中攻撃を浴び始めてから沈没まで、やや時間がかかったこともあり、大和と比べて生存者が多かった。彼らはまた激戦地へ転戦させられ、武蔵が鮮烈な印象を残しにくかった(これに対し大和は、沖縄特攻という「晴れ舞台」で轟沈され、戦後も「戦艦大和ノ最期」がベストセラーになったこともあり、武蔵より圧倒的な知名度を得た)。 こうまとめてしまうと、書きながら自分でもまとめ切れていない部分がたくさんあります。言ってみれば日陰者の武蔵(の生存者)、戦後いろいろな形で天皇陛下や副長、士官への不満を口にする者もあれば、当の副長や士官のようにただ黙して語らない人々もいる。世間では、(大和とともに、)戦前の工業技術の粋であり、戦後の造船業等の下支えになったとするビジネス寄りの議論も盛んになった。また何より、『飛行機の戦争』でも論じられましたが、軍事リテラシーが一定レベルにあった戦前の日本で、なぜ対米戦を開戦したのかが、キチンと整理できない。 本著で何を読み解くかにもよりますが、前掲書と同様に、大艦巨砲主義が諸悪の根源ではないとする「傍証」とも読めます。ただ、大和と比較してなぜ武蔵が、という点になると、様々な当事者の立場や意見を紹介するあまり、読者としては理解が追い付かない部分があります。 そういう意味で、おそらくAmazonの書評も混乱しているのではないでしょうか。
by sergeant_cooper
| 2017-12-05 08:45
| 書籍・映画
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