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プロフィール
1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『QJKJQ』(佐藤究/講談社、2016)
☆☆☆☆★ 市野亜李亜(いちのありあ)は17歳の女子高生。猟奇殺人鬼の一家で育ち、彼女自身もスタッグナイフで人を刺し殺す。猟奇殺人の秘密を共有しながら一家はひっそりと暮らしていたが、ある日、亜李亜は部屋で惨殺された兄を発見する。その直後、母の姿も消える。亜李亜は残った父に疑いの目を向けるが、一家には更なる秘密があった。 「平成のドグラ・マグラ」、「ものすごい衝撃を受けた」、選考委員たちにそう言わしめた、第62回江戸川乱歩賞受賞作。 週刊文春ミステリーベスト10、2016年国内部門第13位。 作者は、1977年生まれ。2004年のデビュー作が第47回群像新人文学賞優秀作となり、本作は二度目の江戸川乱歩賞への挑戦で、見事受賞だとか。 読み始めて、一体これは、怪奇、幻想、ファンタジー、ミステリー、ホラーと、あらゆる分野を網羅した凄い作品だなと感じました。主人公の亜里亜も、父も、母も、兄も皆、一見善良そうでいて実は密かな「殺人鬼」。東伏見という私にも土地勘がある住宅地で普通に暮らしていそうな一家が、こんな状態だとは。 が、ある日突然、亜里亜は、兄が惨殺され(=直後に死体が消える?)、母は失踪し、父は、謎めいた言葉を残して亜里亜の家出を許す(「72時間待っている」と)。 行くあてのない亜里亜は、父が(本業らしく)やっていた不動産販売の業界紙を持たされますが、よく見てみると、不動産の掲載広告がなぜか猟奇殺人事件の時間と場所と一致している。父の意図、この業界紙、それにこの広告を掲載している不動産屋は一体何を企図しているのか。公園でよく見かけるOL(鳩にポップコーンを与えると見せかけ、実は爆竹を与えて殺していた!ので、「鳩ポン」と呼ばれる)を頼りに、事実関係を探り始める。 (ネタバレでも到底全部書き尽くせないのですが)どうやらですね、 1)一連の事件の背後には、国家権力に匹敵する犯罪研究機関があるようで、 2)その機関、亜里亜の実の父が彼女がまだ4歳の頃に起こした殺人事件に目を付け、父の(犯罪的な)遺伝子が娘の亜里亜にどう、影響するのかを10数年追いかけてきたというのだ(=という訳で、東伏見で一緒に暮らしていた「父」なる人物は実は父でも何でもなく、機関側の人間だった)。 3)また、母や兄、彼女が4歳の時に目撃した実の父の殺人事件のトラウマから見えていた「幻想」に過ぎなかった。 とまぁ、「狩る」側と「狩られる」側の心理、狩られる側の恐怖、狩る側の手口と、ここまでかと思うくらいリアルかつホラーに描写される。 ただ、何だか、江戸川乱歩賞という賞を受賞するためだけに、練りに練った作品、みたくも思えました。それでもまぁ、凄いことですが。
by sergeant_cooper
| 2017-06-15 06:13
| 書籍・映画
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