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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『日本会議の研究』(菅野完/扶桑社新書、2016)
☆☆☆☆☆ 「右傾化」の淵源はどこなのか?「日本会議」とは何なのか? 市民運動が嘲笑の対象にさえなった80年代以降の日本で、めげずに、愚直に、地道に、そして極めて民主的な、市民運動の王道を歩んできた「一群の人々」がいた。 彼らは地道な運動を通し、「日本会議」をフロント団体として政権に影響を与えるまでに至った。そして今、彼らの運動が結実し、日本の民主主義は殺されんとしている。 安倍権を支える「日本会議」の真の姿とは?中核にはどのような思想があるのか?膨大な資料と関係者への取材により明らかになる「日本の保守圧力団体」の真の姿。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 注)Amazonでの注記:2017年1月6日(金)以降のご注文分につきましては、裁判所より削除を求められた第6章(289頁)の36字を抹消した【修正版】となります。何卒ご了承の程よろしくお願いいたします。 著者は、1974年生まれ。一般企業のサラリーマンとして勤務するかたわら執筆活動を開始。退職後の2015年から主に政経分野の記事を雑誌やオンラインメディアに提供する活動を本格化したという方です。日本会議本は、他にも目に付くようになりましたが、まさか図書館に予約していた本著が、例の最高裁で差止めを喰らった本なのでしょうか。 さて、第一次安倍政権の頃から、確かに日本の政策は「右傾化」してきたものの、得票率等からすると、日本国民の意識が右傾化したとは思えない。むしろ、一部政治家とその周りにいる「一群の人々」≒安倍首相のブレーン、側近の影響力が大きいと言うべき。との問題認識から著者の調査と分析はスタートしています。約一年間、「ほぼ毎日図書館に通い、古書を漁り、人に会い、ノートを取り」。A4サイズの取材ノートが7冊、集めた資料は段ボール箱12箱分とか。 確かに、著者の取材はよくぞここまでという感じです。 日本会議の源流を遡ると、どうやら1969年の長崎大学「正常化」事件(左傾化した活動家から、右寄りの学生たちが自治権等を奪い返した)に行き着くとのこと。当時の学生たちをリードしていた椛島有三(現日本政策研究センター所長)らが、当時、右寄りの政治活動に関与していた「生長の家」青年組織に合流する。が、当の生長の家自身がその後政治活動から縁を切ったため、独自の活動組織を立ち上げて現在に至るという訳です。が、ここまでなら公になっている出版物等で簡単に確認できるでしょうが、著者の取材はもっと先に進む。 つまり、左翼運動が退潮し、生長の家という活動基盤もなくなったのに、何故椛島らは全国的なネットワークを維持し、元号法制定等に大きな影響力を行使できたのか。しかも数十年にわたって。椛島ら現在、表に見えるリーダーらでは、とてもまとめ切れない。 そうみた著者は、当時の長崎大学事件を掘り起し、椛島の先輩格に当たる安東巌なる人物が既に議長としてリードしていた事実を発見。安東は、高校生の時不治の病の闘病生活を7年送っていた際に出会った生長の家に帰依し、以来、オルガナイザー、リーダーとしての資質を発揮していた。表舞台に出ることこそ人には譲るものの、生長の家創始者の谷口雅春に似たカリスマ性、話術、さらには謀略も厭わない策略家の面も有していた。 著者は、これらの右寄りの人々がバラバラにならずに、現在の日本会議という形で存続し続け、影響力を増しているのは、安東が要石として居続けていることだと結論しています。 著者としては、右・左の路線からする評価の問題には立ち入っていません。そうではなく、得体が知れない(と思われる)日本会議なるものの正体にできるだけ迫りたい、との想いだけのようですが、それにしても、サラリーマン稼業のかたわら、ここまで(過去数十年分)一次資料を丹念に探し出して紐付けて読み解いた根気強さは、半端ではない。 なお、差止めによれば第6章の36字分が抹消されるとのことですが、当該裁判所の決定を知らないので、それがどこだかよくわかりません。 が、読んでいる限り、目くじらたてる内容ではないように思いますが。むしろ、元最高裁長官経験者までが、日本会議の「表の顔」にまでなっていることの方がびっくりする。そう思うと、彼らとしては、ひたすら地道に活動を続けてきた影響力が、今、実ったということでしょうか。
by sergeant_cooper
| 2017-04-15 08:40
| 書籍・映画
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