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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『日本 呪縛の構図:この国の過去、現在、そして未来 上・下』(R.ターガード・マーフィー/早川書房、2014)
☆☆☆☆★ 在日40年、この国を愛してやまないアメリカ人大学教授が描く「Japan」の肖像とは?日本とは一体どんな国なのか?この国のどこが多くの外国人を惹きつけ、また、いかなる歴史的経緯が今日の姿をつくり上げたのか?そして、各国が日本から学べる貴重な教訓とは?世界の読者に向けて語られるこの国の全貌―。 ハーバード・ビジネススクールでMBAを取得した元投資銀行家であり、『平家物語』から喜多川歌麿まで日本文化をこよなく愛するマーフィー教授が、持てる知識を惜しみなく注ぎ込んだ日本論の集大成。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 著者は、1969年、15歳の時に来日し、日本に興味を抱き、ハーバード大学では東洋学を専攻。その後投資銀行に勤めるも、転身して現在は筑波大学大学院教授という方。訳者あとがきによると、「日本リビジョニスト」の一人であり、また著者自身語っているところによると、東アジア特派員にして日本について数々の著作を出しているカレル・ヴァン・ウォルフレンの影響を強く受けたとのこと。 在日40年という「実績」にもあるように、特に我が国の中世以降の歴史(政治、経済、大衆文化)について、表に見えるものからその裏に隠されたものまで、非常に鋭く斬り込んで分析しています。思わず、確かにそのとおり、よくぞガイジンがここまで、と思ってしまいました。 これら現在に至る歴史の分析は、この本の主題である「現在、そして未来」のための大前提でもあるのですが、結論を先取りしてまとめると、日本は、1930年代に国を誤った無責任体制、そして強権を握った官僚が説明責任を負わないまま世の中を動かした体制・歴史に、正面から向き合え、というものです。しかし残念ながら、今の安倍政権は、向き合うどころか、当時の帝国主義的世界情勢や、反日感情を煽る近隣諸国のせいにし、今また国家的な求心力に、1930年代を彷彿とさせる「国家主義」「愛国心」を持ち出している。 著者に言わせれば、日本が進むべき途はそうではない。確かに安倍政権は「普通の国」を目指して、アメリカと対等な関係構築を望んでいるようだが、アメリカにしてみれば、日本は、外交・防衛をアメリカ任せの「従属国」に過ぎず、興味はない。日本がやがてアメリカから距離を置かれる暁には、どうしても、日本が主権国家として、近隣諸国との間で良好な関係を構築しないといけない。そのためには、やはり、歴史と向き合うことが重要なのだ、ということです。 外国人の見方らしく(と言ってしまえば、著者に怒られそうですが)、ロジカルで、言わんとすることはよく理解できます。究極的には、安倍政権の目指すところは良いのかも知れませんが、その政策と遂行過程は、日本人有権者にとっても、受け入れられない部分も多い。また、軍部と官僚が暴走することを止められなかったのも、歴史的事実ではある。 が、ドイツのように、単に当時のナチス政権、そしてそれを選んだ国民の責任について、単純に向き合うのは、日本の場合、どうも違うような気がしてなりません。最近、歴史修正主義的な議論も結構読んでいるせいでしょうか、我が国には我が国の理屈や立場があるのだ、という、どうしても譲れない点があるように感じるからです。 とは言え、時間軸的にも、対象範囲の広さ的にも、深いカバーと洞察に溢れた本著は、一読の価値があると思います。
by sergeant_cooper
| 2016-04-21 06:20
| 書籍・映画
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