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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『キリスト教成立の謎を解く 改竄された新約聖書』(バート・D・アーマン/柏書房、2009)
☆☆☆☆☆ 現代人は「天にまします神」や「死体からよみがえったイエス」などの神話をそのまま信じることはできない。欧米では、神学、哲学、宗教学などの専門家がキリスト教に対する批判的研究を行っているが、その内容は日本ではあまり知られていない。 本書の刊行によって、批判的なキリスト教研究についての概要を神学に関する専門的知識をもたない人でも知ることができるようになった。教養として、一歩踏み込んだキリスト教に関する知識を得ようとする人にとって、最適の書だ。(以上、本書の帯より(佐藤優氏)) 『教養としての聖書』(橋爪大三郎/光文社新書、2015)においても、著者は、福音書は必ずしも、ルカやヨハネといった人が書いたわけではないこと、パウロの手紙にしても然り。全部が全部、そうではないと説明していました。どこかでそういう話は聞いたことがあるような気もしていましたが、あらためて、聖書って何なの?という気がしてきました。 本著は、ノース・カロライナ大学教授で、新約聖書、原始キリスト教史等の「第一人者」という著者が著したものですが、再度、詳細にわたってその点が論述されていました。 そもそもイエスは、「キリスト教」なるものを創始しようとしたわけでもなく、当時はまだ、ユダヤ教の説法者に過ぎなかった。が、彼の周りにいた使徒らが、イエスの言動を旧約聖書と(半ば強引に)結び付けて建て付け直し、メシアだとし、件の「復活」もその証左であるとした。そして「復活」後数十年経ってから、決して当時の使徒ではない、単なる「記者」が、それぞれの共同体に伝承された話を福音書なる形にまとめた。 また、各地でバラバラに理解されていたイエスの言動も、パウロの流れを汲むローマの教会が、結局のところ「正統」の地位を占め、聖典たる聖書に採用する福音書を選別した。 こういった経緯から、著者は、キリスト教は決して、イエス「の」宗教ではなく、イエス「に関する」宗教であり、同様に、聖書は決して神の言葉等ではなく、人間が人為的に編み出した人間臭い書だとします。そしてこれは、決して著者の異端的な見解ではなく、確かに日曜日に教会で牧師さんが教える内容ではないものの、研究者の間では、既に長期間、コンセンサスを得られているものだと紹介します。 こうして、ここまで歴史的、実証的な立場から聖書をみると、こんなにも聖書は、それ自体が崇拝の対象などでななく、ある記者が、当時の伝承をまとめ、ただそれが「正統」派にとって都合の良い解釈だから聖書に組み入れられたに過ぎないことが、よくわかりました。というか、目から鱗でした。 また、(これもどこかで読んだ記憶はありますが)イエス自身は、決して自らキリスト教を創始しようなどと思っていたわけではなく、現在のキリスト教は、言ってみれば「後付け」で成立したに過ぎない(その過程で、従来のユダヤ教を排斥しながら)。 著者な、青年期までは、純粋な信者であり、学校でもそういう勉強をするつもりで入学したものの、これらの研究を進めるにつれ、信者としての立場を捨て、不可知論者となったとのこと(ただし、人間の罪や苦悩を背負う形で磔刑になったイエスの生き様については、素直に、信仰の対象足り得る、と理解しているようです)。 ありがたい、と思っていたキリスト教も、その舞台裏の事情が明らかにされると、(別に私は信者ではありませんが)一体、人々がここまで素直に信心しているのは何なんだろうと思わせます。別に、悪いことだとか、騙されているとか、本当のことを知らずに、とかとまでは思いませんが、今の「キリスト教」なる宗教が成立した経緯、事情を知れば、もっと自分なりのスタンスが持てるように思いました。 なお、著者は、これ以前に、同様の本も出しているようなので、機会があれば是非、さらに突っ込んで勉強してみたいです。
by sergeant_cooper
| 2016-04-09 07:11
| 書籍・映画
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