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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『アメリカン・スナイパー』(クリス・カイル/ハヤカワ文庫、2012)
☆☆☆☆☆ アメリカ海軍特殊部隊SEAL所属の狙撃手クリス・カイル。彼はイラク戦争に四度にわたり従軍して、160人の敵を仕留めた。これは米軍史上、狙撃成功の最高記録である。守られた味方からは「伝説(レジェンド)」と尊敬され、敵軍からは「悪魔」と恐れられたカイルは、はたして英雄なのか?殺人者なのか? 本書は、そのカイルが、みずからの歩みと戦争や家族に対する想いを綴る真実の記録である。クリント・イーストウッド監督映画原作。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 先だって公開されていた映画の方は、観ようか観まいか迷って結局観ていませんが、原作のこちらは読んでみました。 スナイパー物というと、フィクション作品を結構読んでいるので好きなのですが、イラク戦争に従軍して実績を上げた著者の手になると、まったく別物の世界でした。 著者の場合は、そもそもの軍隊志願が冒険心からということもあったようですが、やはり愛国心に駆られた部分が大きい。従軍しても、プロフェッショナルとして、イラクのためとかという政治的な理由ではなく、これ以上アメリカに対するテロ行為をさせないためという(しごくもっともな理由で)活躍しまくっている。そこには何のためらいもない。 また、得てして軍功を誇る記述に陥りやすいような部分でも、淡々と、「狙撃した」「敵が見えたので射殺した」とそっけない。著者の目からすると、また読者からしても、あまりにもイラクの反政府武装勢力は数頼みで、無謀で、烏合の衆で、これでは、訓練を受けたSEALのプロである著者の手にかかると、赤子の手をひねるようなものだったろう(だから、誇るほどの軍功に思えなかったのかも知れない)。 さらに、従軍した元兵士ならではの話にも驚きました。射撃するたびに日記のような「申告書」を(銃撃戦の最中にでも)作成せねばならず(=後日、自分自身と部隊を守るためにもなる)、また、厳しい交戦規定にも縛られる。反政府武装勢力はやりたい放題やっているのに、こっちの方はそうではなく、「政治」にうんざりする著者の気持ちが表れていました。 入隊に前後して知り合った女性と結婚し、当初は幸せだったものの、SEALの場合90%以上?という離婚率を乗り越え、克服してきた(妻のタヤの手記と思える記載も載っています)。しかし、やはりアメリカ人、家庭を取るのか、仕事(危険にさらされる軍隊)を取るのか、という切実な問題はあったよう。確かに残された妻としては、夫のいない生活、夫なしでやりくりできる生活があるのに、たまに帰ってくる夫に口出しされ始めると、たまったものではないでしょう。 著者が、純粋に愛国心に駆られて行ってきた軍務。日本人読者の目からすると、アメリカ人の思考のバイアスがかかっている箇所は随所に見られます。が、それでも、この本がベストセラーになり、著者自身もまっとうに退役できたのは、(ベトナム戦争の頃とは違い)アメリカ社会も変わってきたのでしょうね。 戦友と部隊を愛した著者が、PTSDを患って、著者自身が面倒をみていた退役軍人の手にかかって射殺されてしまった、というのも、何とも言えない悲劇。純朴なテキサス人、アメリカ中から愛されたのでしょう。
by sergeant_cooper
| 2015-09-02 06:28
| 書籍・映画
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