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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『ペリリュー・沖縄戦記』(ユージン・B・スレッジ/講談社学術文庫、1981)
☆☆☆☆☆ 「戦争は野蛮で、下劣で、恐るべき無駄である」。 硫黄島に匹敵する損害率を記録した1944年秋のペリリュー島攻略戦、そして45年春の沖縄上陸戦。二つの最激戦地でアメリカ海兵隊の一歩兵が体験した「栄光ある戦争」の現実とは?敵味方を問わずおびただしい生命を奪い、人間性を破壊する戦争の悲惨を克明かつ赤裸々に綴る、最前線からの証言。 「私はアメリカ第一海兵師団第五連隊第三大隊K中隊の一員として、中部太平洋にあるパラオ諸島のペリリュー島と、沖縄の攻略戦に参加した。本書はその訓練期間と戦場における体験を記したものである。」(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 2015年4月、天皇皇后両陛下がペリリュー島を慰問されました。当地では激戦があったと伝えられましたが、その実情を少しでも知っておきたいと思い、後追いになりますが、著者の本を借り出しました。 著者は、1923年アラバマ州生まれ。医者の息子で、戦争中に海兵隊に志願、二つの激戦を生き延びて帰還後、アラバマ州モンテヴァロ大学生物学教授を務め、2001年他界という方です。 一兵卒目線での前線記録というのは、あの『西部戦線異状なし』にも通じるところがありました。ペリリューでは、珊瑚礁の固い地盤でたこつぼを掘ることもできず、気温45℃を超える猛暑の中、「せいぜい三、四日で攻め落とせる」と思われた島に十日?三十日?も釘付けの死闘を余儀なくされた。 沖縄では一転して、泥とぬかるみと豪雨の中、大軍で守る日本軍相手に、これまた筆舌に尽くしがたい地獄を見た。いずれも、日本軍が「バンザイ突撃」を止め、「縦深防御」戦術に転換していたため、米軍も予想外の損失を出してしまった。アメリカ兵目線での記録で、もちろん、日本軍の卑劣さ、残忍さへの言及もありますが、同時に、その「戦闘マシーン」ぶりにも言及しているところが凄い。 もちろん、日米の死傷者数を単純比較すれば、桁違いに日本側の損失が大きい。しかし、アメリカの兵士として参戦した著者の立場に立てば、東洋の島国が帝国主義的に宣戦してくるものだから、やむを得ず西太平洋くんだりまで自国の若者を送り出さざるを得なくなったというのに、鎧袖一触で蹴散らすどころか、地獄を見るような死闘に引きずり込まれたのだから、たとえ死傷者数は(比較すれば)少なくても、大変な事態だったことだろう。 私の父は、大正4年(1915年)生まれで、旧帝国海軍に徴兵され、転戦し、復員してきました。幼かった頃、よく父に戦争の話をねだりましたが、「戦争というのは、人が人を殺し合うものだ」と暗い顔をしていました。作家の山本七平氏の言葉によれば、戦場というものは、「殺す場所」ではなく「殺される場所」とのことだそうです。 もちろん、戦争である以上、作戦を立て、この師団をここに投入し、この中隊は予備隊として後方に置き、と将棋のような作戦を立てることも必須でしょう。しかし戦場では、二十歳そこそこの補充兵がいきなり殺され、古参兵といえども、偶然のいたずらで流れ弾に当たって死ぬ。砲爆撃の凄まじさで戦争神経症を発症し、廃人になる兵士も続出する。戦争の狂気を、平時の今、感じることができました。 また、戦後70年経った今、天皇皇后両陛下が、このペリリューの地を忘れずに慰問いただいたということにも、頭を垂れたいと思います。
by sergeant_cooper
| 2015-05-20 05:38
| 書籍・映画
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