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プロフィール
1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『流出 上・下』(フリーマントル/新潮文庫、1996)
☆☆☆☆☆ ロシアからは法も秩序も消えていた。当局の権威は失墜し、幾多のマフィア組織が無軌道に鎬を削っていた。そしてチャーリーに未来はなかった。さらに、未来のない男に与えられたはずの任務は、思わぬ危険な方向へと彼を導いてゆく。 米ロ両大国の思惑に揉まれ、屈折した愛情に揺さぶられながら、彼は因縁浅からぬ街で孤独な活動を展開する。今日的テーマと壮大な構想のシリーズ第十作。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 今回の作品は、これまでの冷戦下での諜報合戦ではなく、マフィアがロシア軍基地から強奪した250キロものプルトニウムをどうやって取り戻し、実行犯のマフィアを捕えるかというもの。上記のとおり、「今日的テーマ」であり、非常に「壮大な構想」でした。 大体、 1)マフィア自体が頭目争いを起こしており、陽動作戦として捨て駒にされたグループと、本命として強奪に成功したグループが、血で血を洗う化かし合いをしている。 2)ロシアには「法も秩序」も消えており、民警も元KGBも、大半がマフィアに浸食されている状態で、情報漏洩は当たり前、当局の幹部でさえ、誰がマフィアに寝返っているのかわからない。 3)危機感を持った英国情報部、FBI、ドイツ当局が支援に乗り出すものの、それぞれの内部ではこれまた権力闘争が起きており、チャーリーら現場要員は、誰を信じて行動していいのかわからない。また、ロシア当局からは半ば敵視される。 と、非常に困難な状況での活動になります。これらに加え、あのナターリヤが、既にチャーリーとの縁をあきらめて、当局の幹部ポポフとの愛を深めつつあり、チャーリーは個人的にも、彼女との立ち位置(の修復)に苦労する。と、困難と言うよりは絶望的な環境と言ってもいいかも知れません。 (またネタバレになりますが)失われたプルトニウムを奪還し、問題の根を断つための一網打尽を狙うしかないと考えたチャーリーは、自らが囮捜査官となって密輸業者に化け、結末としては、失われた当のプルトニウムの取引に関わることに成功、ドイツでの取引現場を急襲させて事件を解決に導きます。 これだけ関係者の数が多く、誰が誰を罠にかけようとしているのかわからない(=読者としても、アタマが混乱してくる)プロットを考え出し、さらにはチャーリーとナターリヤの関係を絡ませるとは、本当に、とてつもない規模の作品だと感嘆せざるを得ません。こういうのを、国際謀略小説の見本と言うのでしょう(またネタバレになりますが)ナターリヤの恋人ポポフでさえ、マフィアに寝返っていた一員だったとは! シリーズの最初の頃は、チャーリーの個人的事件をどう扱うかというレベルの話だったのに、あれから20年近く経って、(当然その分、老いてしまった)チャーリーが、なお現役バリバリでここまでの水際立った活躍を見せるとは、これまた信じられない。当初は、ウィロビー卿やウィルソン部長といった理解のある上司に恵まれましたが、今回は、学界から着任してきたディーン部長がしっかりと後ろ盾になってくれた。 このシリーズ、最後まで読み通さずにはいられない!
by sergeant_cooper
| 2015-05-07 05:25
| 書籍・映画
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