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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『マルヌの会戦』(アンリ・イスラン/中央公論新社、1964)
☆☆☆☆★ 第一次世界大戦勃発から100年、稀有の戦記発掘。 開戦間もなく、短期決戦を目論みパリを目指して殺到したドイツ軍の奔流を、フランス軍はいかにして遮ったのか。錯綜する各局面を俯瞰しながら、入り組んだ戦況を詳細に解説。政治家、軍人、兵士達の人間模様や心理の綾をも生き生きと再現する一大軍事叙事詩。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 今年、2014年は第一次世界大戦開戦から100年ということで、いろいろと刊行物が多いようです。本著も、元々はフランスで1964年に刊行されていたものが、2014年になって邦訳されました。 「マルヌの会戦」というと、聞いたことがあるようなないような、程度で全然予備知識はありませんでした。本著を読んで初めて、開戦後、「シュリーフェン作戦」に基づいて、怒濤の勢いで攻め込んできたドイツ軍を、退却一方だったフランス軍が初めて反転攻勢に転じ、押し返したという歴史的な会戦だったということを知りました。 第一次世界大戦というと、30年後の第二次世界大戦との関連であまり違いを認識していませんでしたが、たった30年の開きしかないのに、絶望的なほど古い戦略や戦術の下に行われたということも、大変衝撃的でした。 フランス軍、何と青い帽子に赤いズボンという、趙・目立つ軍服で、進軍ラッパと軍旗を掲げて歩兵が突撃(あるのみ)。これじゃ、機関銃の餌食になるだけ(もっとも、フランス軍の砲兵隊は、良い砲に恵まれて大活躍だったようですが)。そしてドイツ軍の方も、ヴィルヘルム2世と、参謀総長「小モルトケ」という、帝国時代の申し子たちでした。皇太子たちが現地司令官を務め、皇帝は現地観戦に来たい等と言いだし、まとまるわけがない。そして最悪だったのが、指揮命令・通信手段のなさ。19世紀からの「伝統」で、現地司令官の裁量が重んじられるあまり、首都にいる小モルトケが的確な命令を出さないのと相まって、現地軍はバラバラ。使われ始めた無線についても、10何時間も遅れて届く有様で、使えない。 19世紀までの、ナポレオン戦争や普仏戦争くらいまでの規模であれば、現地司令官が全戦局を見渡し、全軍を統率できたのでしょうが、軍団の数が増えたのに、これを統制する手法や、考え方が追い付いていない。お蔭で現地軍は、意味不明な命令を無視して、独自の判断で何十キロも行き来する行軍を繰り返すハメになった。欧州諸国は、20世紀初頭の日露戦争から何も戦訓を学ばなかったのかと思えてきます。 しかし、この会戦を通じて、砲兵と歩兵の役割に対する認識が逆転し、飛行機の活用法もわかった。これだけの血を流して、近代戦へと脱皮していったわけだ。 なお、本としては、著者(フランス人)の記述がどうも文学風で、第三者からの冷静な戦局分析という風ではなく、ちょっとわかりにくかったので☆四つ。それ以外は、史実的価値が非常に高いと思います。
by sergeant_cooper
| 2014-08-21 05:25
| 書籍・映画
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