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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『渇いた夜 上・下』(リンダ・ラ・プラント/ハヤカワ文庫、1996)
☆☆☆☆★ ロレインが開いた探偵事務所は繁盛せず、閉鎖を考えていたところに大事件が持ち込まれた。元スター女優エリザベス・ケーリーの娘アンナ・ルイーズがニューオリンズで失踪、娘の生死もわからないという。たまたまロージーが出ていた断酒会に出席していた夫妻の秘書がエリザベスに伝え、ダメもとで依頼してきたのだ。期限は二週間、生死だけでもわかれば百万ドルのボーナスをはずむという条件だった。 ロレインはアンナの学生仲間を中心に聞き込み捜査を始めるが、何も不審な点はない。が、エリザベスが怪しげな呪術師らから大量の薬物を買い込み、薬物依存の常態に陥っていることを嗅ぎ付け、その線でアンナを再捜査。すると驚くことに彼女はロスで乱痴気パーティに参加、しかも同席していた親友のティルダは一家と一緒にニューオリンズ旅行に行く直前にアンナと大喧嘩していたという。一体二人の女性の間に何があったのか。ロレインらはケーリー夫妻と共にニューオリンズに乗り込み、真相を探り始める。 前作はロレインが凄絶なアルコール依存症から立ち直るところが大きな読みどころでしたが、本書では一応は落ち着きを取り戻した彼女が元・警部補の実力を遺憾なく発揮して、ケーリー夫妻の秘められたスキャンダルに踏み込む大活躍を見せています。 しかし、ロレインは自分では「立ち直った」と思っていただけで、ふとしたことで口にしたアルコールでまたもや危機に陥りかけ、その度にロージーらの助けを借りて何とか自分を取り戻していく、という点もありありと描かれ、依存症という病気がやはり本書のもう一つの背景になっています。 ミステリとしては、前作同様、多くの登場人物の秘められた過去や多くの裏取引が絡み合うという複雑な内容ですが、ま、これも90年代ミステリの一つの特徴なのかと思います。 *** 『温かな夜』(リンダ・ラ・プラント/ハヤカワ文庫、1998) ☆☆☆☆☆ アンナ・ルイーズ事件の報酬を元手に古傷の美容整形を受け、新たな事務所も開いて再出発したロレイン。しかし親友のロージーと旧交のあった元警官のルーニーが結婚、新婚旅行に出かけてしまい、寂しさも抱え込んでいた。そんな彼女に、映画制作会社の社長で美術品のコレクターでもある大富豪の夫ハリー・ネーサンを射殺してしまったという若妻シンディから調査の依頼が舞い込んだ。濡れ衣を晴らしてくれというのだ。 アシスタントの若者デッカーとともに調査に乗り出したところ、大富豪のはずのハリーには高額な美術品以外に財産らしいものはなく、しかも彼は画廊を営む前妻のケンドルと共謀して贋作詐欺を働いていた疑いや、自宅のいがわしいパーティを盗撮してスターを恐喝していた疑いまで浮上してきた。しかも、当のシンディにはロレインに調査依頼の電話をした覚えはないという。一体どういう陰謀がうごめいているのか? 関係者のケンドルやシンディ、それにデッカーまでも不審死を遂げる中、彼女はロス市警に着任したバートン刑事課長との間に芽生えた愛にも支えられて単身調査を続行し、遂に事件の真相に迫っていく。しかし同時にそれは、彼女の忌まわしい過去に端を発していたものでもあり、やがて事件は衝撃の結末へー。 『凍てついた夜』(1994)に始まる「新時代の女性ハードボイルド三部作、感動の完結篇」。 パズルのピースがすべて埋まり、事件の全貌が全て氷解するという形ではありません。しかし、右往左往しながらも粘り強く本命を追いかけていくロレインを中心にストーリーが展開する分、相変わらず複雑な構成ながらも、シリーズの中では「スッキリ」感は一番でしょう。 それはともかく、訳者あとがきによるとロレインにはあるモデルがいて、作者はその女性への取材を元にこの三作を書いたものの、当の女性が突然行方をくらましてしまったとのこと。シリーズの最初からこの結末の予定で三作を書いたのか、それとも「行方不明」によりこういう結末にせざるを得なかったのかははっきりしません。ただ、酒を断ち、新たな人生のパートナーも見つけ、長い長い過酷な人生の重荷からようやく解放されようとしていたロレインのシリーズがまさかこういう結末を迎えるとは。 ロレインと一緒に、短くも苦渋に満ち、波瀾万丈の日々を歩んできた読者としても、胸が締め付けられる想いです。 付け加えるに、前二作は地元の図書館にもありましたが、肝心の完結篇の本作だけは都立中央図書館からの取り寄せでした。ミステリとしての世間的な評価や人気はイマイチだったのかも知れませんが、これだけのシリーズはもっと評価されてしかるべきだと感じました。
by sergeant_cooper
| 2008-04-11 00:28
| 書籍・映画
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