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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『罪責の神々 上・下』(マイクル・コナリー/講談社文庫、2013)
☆☆☆☆☆ 依頼人アンドレ・ラコースは殺害容疑で逮捕されていた。娼婦のデイトンを絞殺し、証拠隠滅をはかって火を放ったのだという。かつての依頼人デイトンが名前を変え、ロスに戻り、娼婦に復帰し、殺されていたとは意外だった。ハラーは、ラコースの弁護を引き受けることにした。事件を独自に調査した結果、ラコースは本人の言うように無実であり、何者かにはめられたのだとハラーは確信する。 麻薬取締局の悪徳捜査官マルコは違法な捜査方法で、実績を挙げることを平気でやってのける人間だった。 終身刑判決無効の申し立てをおこなわせ、デイトンを証人として召喚しようという動きを知ったマルコが先手を打って、デイトンの口封じをさせたのだった。 当局側の人間として事前に情報を知る有利な立場から、マルコはハラーの先回りをして、証拠や証人潰しを続けていく…。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 先般、ハリー・ボッシュ・シリーズの『ブラックボックス』(2012)を読みました。今度は「リンカーン弁護士」ことミッキー・ハラーを主人公としたシリーズ(の第五作目)です。 このシリーズ、リンカーンの後部座席を執務場所代わりにして動き回り(=エラそう)、きわどい事件に対して法律スレスレの弁護を行うという設定にやや先入観があったせいか、ハラーのことも、正義や公正のためというよりも、依頼人とカネのために働く「悪徳弁護士」的に捉えておりました。 が、よく読んでみると、確かに弁護士稼業としてカネは必要でありこそすれ、無実だと信じた依頼人のため、その嫌疑・冤罪を晴らす目的で、そこまでやるかという(やはりスレスレの)調査と弁論で立ち向かう。別れた妻との間に別居している娘がいて、娘に合わせる「顔」を持つためにも、必死で頑張っている主人公の姿があります。 本作、上記の内容紹介でかなりネタバレしていますが、要は、れっきとした麻薬取締局捜査官でありながら、逮捕・有罪判決のためなら証拠のでっち上げも辞さないマルコが、かつて情報提供者として(違法な捜査に)使っていた娼婦デイトンが法廷で証言せざるを得ない局面に追い込まれたのを知り、彼女を殺害してその罪をラコースに着せたというのが真相。 もちろんハラーらは、ラコースの供述ぶりから心証としては無実を信じますが、いかんせん証拠がない。調査官シスコや、若き俊英弁護士ジェニファー、そして引退して療養中の元・師匠?弁護士リーガル・シーゲルの協力も得て、マルコと、彼の調査官にして元市警刑事ランクフォードが、事件を仕組んだことを突き止める。 もちろんクライマックスは、法廷での弁護側陳述と証人尋問になりますが、仕組んだ事件の真相がバラされることを避けるために、必死の「異議申立て」を行う検察側を相手にし、判事の理解も得て、堂々と、着々と、シナリオに沿って、証人に「真実」を語らせていきます(その過程で、(ネタバレになりますが)違法な捜査を行ってしまい、事もあろうにその事実を証言で認めたランクフォードは、拳銃自殺してしまう!)。 事件はこれにて派手に解決。ハラーは一躍、時の人となり、ラコースの不当逮捕による民事訴訟で巨額の和解金までせしめて、事務所の面々にボーナスをはずむ訳です。 が、リンカーンの運転手だったアールを、仕組まれた交通事故で死なせてしまった。また、当のデイトンも、かつてハラーが親身になって更正を世話した娼婦でしたが、彼女も被害者としてしまった。訴訟には勝っても、心の内に、ハラー自身の「罪責の神々」(≒陪審)を抱えながら、生きていくハラー。 訳者あとがきでは、コナリーはこの後、このシリーズを書いていないとのこと。多分、本作がハラーにとって、ある意味「区切り」の作品なのかも知れません。 (なお、訳者によれば、コナリーの未訳作品がまだ数作あるのだそうですが、作者が年二回刊行というハイペースを止めてくれて、プラス、出版不況の中、翻訳刊行がこのペースで維持できれば、2022年には現地のベースに追いつけるとのこと。もちろん、未訳の作品は早く全部読みたい私ですが、かなり無理そう。マイクル・コナリーの一連のシリーズ、もうすべて、☆五つ級扱いであります。)
by sergeant_cooper
| 2018-04-06 06:15
| 書籍・映画
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