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プロフィール
1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『シンプルな政府 規制をいかにデザインするか』(キャス・サンスティーン/NTT出版、2013)
☆☆☆☆★ 積極的に経済活動に介入する「大きな政府」か、個人や企業の自由な競争に任せる「小さな政府」か。両者のあいだで揺れ続けてきたアメリカ議会を仲裁すべく、オバマ政権第一期で、情報・規制問題室室(OIRA)長に抜擢された著者が、ナッジ(行動経済学)的アプローチで、第三の道を探る。実践と思索を行き来する、痛快社会科学エッセイ。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 本著の帯に依れば、著者は「アメリカ法学界きってのスター憲法学者」とのこと。実際、1954年生まれ、ハーヴァード大学ロースクールを修了し、米最高裁/司法省といった法実務の現場を経験した後、シカゴ大学、ハーヴァード大学に勤務という「エリートコース」。 しかも守備範囲が広く、「古典的な主題から、動物の権利、人間の価値、クローンの倫理性、ソーシャルメディアをはじめとする情報社会論に至るまで多岐」だそうで、映画「スター・ウォーズ」シリーズについて論じる著作さえ発表しているとのことです。 さて、この守備範囲の広い著者が、OIRA室長に任命され、規制の在り方、不要な規制の撤廃や必要な規制の制定に深く関与することになる。それも、法律学者としての知見を活かしてというよりは、行動経済学を活かして。 そこで活用されたのは、規制の費用対効果、純効果を徹底して追求(「ナッジ」)しながらも、同時に数量化できない面(人間の尊厳等)もフォローすること。人間の認知システムには、「システム1」(自動的、反射的、素早く機能し、感情的で本能的)と「システム2」(熟慮、思索的)に分けられる。この知見が得られたのは、本著で言及されていて驚きましたが、私が2017年10月に感想を投稿した『かくして行動経済学は生まれり』(マイケル・ルイス/文藝春秋、2017)で描かれた、ユダヤ人心理学者のカーネマンとトヴェルスキーの知見だそう。意外なところで繋がりました。 著者も、このマイケル・ルイスのことは意識していて、OIRAの仕事に当たっては、「規制はマネーボール方式で」と明言。役所が何となく、明確な根拠もなく、惰性で規制を作るのは止めさせ、徹底してデータと費用対効果を重視する。 著者は、費用対効果の検討のほか、デフォルトルールを適切に設定することも効果的と着目(例:「臓器提供する」にチェックを入れさせるよりも、「臓器提供しない」にチェックを入れさせる方が、結果として(皆手間かけたくないので)臓器提供する人が多くなる)。選択肢はキチンと残しながらも、ちょっとした工夫で政策目標を達成する。 そういった、およそ法律家の発想というよりも行動経済学者、心理学者的な発想を活用し、オバマ政権下で実績を挙げたらしい(もとより、レーガン政権時代に組織されたOIRAで一度は働いてみたいというのが夢だったそう)。 大きな政府か、小さな政府かではなく、邦題どおり「シンプルな政府」を目指したわけです。こういう、本当にアタマの良い人は、世の中にいるもんだなぁと時々感心します。 我が国の政府にも、こういう人が10数人くらい、アドバイザーでお願いしたいくらいです。
by sergeant_cooper
| 2018-03-20 06:15
| 書籍・映画
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