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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『ポストキャピタリズム 資本主義以後の世界』(ポール・メイソン/東洋経済新報社、2015)
☆☆☆☆★ 資本主義の変革はもはや実現不可能なユートピアではない。 市場や私有財産を基盤にした現行システムとは全く異なる未来を描き出す。 著者、ポール・メイソンは、資本主義200年の歴史を調査するなかで、ある疑問を抱いた。「資本主義は社会全体を動かしている非常に複雑なシステムだが、資本主義自体が限界に達し、まったく新しい何かに変化しつつある一歩手前なのではないか」と。 この変化の中心にあるのが情報技術だ。これは労働や生産、価値について私たちが当たり前に持っている概念を、完全に別の形に変化させ、市場や私有財産を基盤にした経済を崩壊させる可能性のある革命なのだ。現に、これらの変化はすでに起きている、とメイソンは主張する。 新自由主義のルールに対し、もはや対応しなくなった商品やサービスが現れたのだ。例えば、並行通貨や時間銀行、協同組合、自己管理型のオンライン空間等である。国が後ろ盾する「株式会社資本主義」システムとは全く違い、正反対とも言えるビジネスが行われている。 本書では、昨今の経済危機の残骸から、より社会的に公平で持続可能な世界経済を構築するチャンスをどのようにつかむことができるのか、を明らかにする。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 著者は、英国のジャーナリスト兼ブロードキャスター。優れたジャーナリストに贈られる「ウィンコット賞」等、数々の賞を受賞しているとか。本著のタイトルと中身には大変興味がありましたが、これだけの「大風呂敷」なテーマに、一ジャーナリスト兼「ブロードキャスター」が挑めるものだろうかと(読む前は)疑心暗鬼でした。 が、読み始めるとこれがまた、実に奥深い。 何と著者は、あの「コンドラチェフの波」(景気の長期波動)を俎上に上げ、17世紀以降、新自由主義(が行き詰まったと思われる)今日に至るまで、この「波」が当てはまるのだと主張しています。さらに、マルクスが修正した古典派の労働価値説こそ現代の経済学にも通用する理論だとする(その限りにおいて、いわゆる限界効用理論は誤り)。 さらに、上記の内容紹介にあるように、希少性を分配する従来の経済社会がすっかり変貌した。情報自体が価値を持ち、限界費用ゼロで無限に供給される時代になった。これに着目し、ネットワーク社会の到来によって、パラダイムの変換が起きていると説く。 最終的に著者が展望するのは、(半ばおそらく期待を込めて)超富裕層が富を独占し、地球環境を破壊し、貧困層から収奪する経済社会からの脱皮であります。それが「ポストキャピタリズム」。(低賃金)労働から自由になり、ベーシックインカムが保障され、金融を含めて公共サービスは社会化(≒国有化あるいは協働管理下に置く)。 著者が議論の俎上に載せている経済学が多岐にわたるので、少々私の理解が追い付かなかった面があるのが否めず、そこが残念ではあります。また、そのせいで、果たして著者が期待している「資本主義以後の世界」がどれほど的を射ているのか、よくわからない面もある。最終章で著者が提示している政策/プロジェクトの妥当性も、本当にそうなのか、自分の頭で検証できない。 と、なかなか理解の及ばない点が多い本ではありましたが、今時?コンドラチェフの波やマルクスを真正面から取り上げて、それをベースにこれからの経済社会を再構想する、という企図は、壮大であります。 単行本で3センチ、400ページ以上もある大著ですが、読み応えはありました。
by sergeant_cooper
| 2017-11-21 09:39
| 書籍・映画
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