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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『近代天皇論 「神聖」か、「象徴」か』(片山杜秀、島薗進/集英社新書、2017)
☆☆☆☆☆ 天皇のあり方しだいで日本の近代が吹き飛ぶ! 天皇は神の子孫たる「神聖」な権威なのか、「国民の統合」の「象徴」なのか。退位問題をきっかけに天皇とは何かについて新たな論争の火蓋が切られた。 「国民の統合」が危機に瀕し、民主主義の基盤が揺らぐこの時代にあるべき「新しい天皇」の姿とは何か。この問題を国民が真に考えるためには、幕末・明治維新にまで遡り、わが国固有の伝統と西欧文明との間で揺れ続けた日本の近代の中の天皇の姿と向き合わねばならない。 戦前右翼思想を熟知する政治学者と国家神道研究の泰斗が、この難題に挑む画期的な対論!(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 片山先生の方は、『未完のファシズム』(新潮選書、2012)にて、戦前の政治体制の分析の鋭さに圧倒されておりました。本著は対談という形です。お相手の島薗先生は、1948年生まれ、宗教学者、東京大学名誉教授という方。 さて、結論から言って、本著にはまた圧倒されました。近代日本について、政治体制、政治思想/社会思想から分析する議論は幾つもあり、これまでも秀逸なものにも出会いました。 が、本著のオリジナルなところは、それを天皇制を中心に論じていること。王政復古と尊皇攘夷という相反する命題を抱えながら、それを神聖なる天皇という存在を持ち出すことによって、明治日本はアクロバティックな論理の融合をやってのけた。が、大正デモクラシーが世界恐慌とともに崩れ去る中、明治日本が刷り込んでしまった「神聖天皇」の思想が独り歩きを始めてしまった。 戦後70年の今、またかつての1930年代を髣髴とさせる政治現象が起こっている。あの時は恐慌と戦争、今はグローバル金融システムの危機と天災。あの時は、まだ国力に余裕のない我が国は、天皇の慈愛と恩賜を持ち出して福祉を補った。今もまた、新自由主義的政策の下、福祉が切り捨てられ格差が拡大する。そのセーフティネットとして、改憲勢力は「家庭」や「地域」等を持ち出す。もちろん、究極のところは「天皇」になるのでしょうが。 片山先生が、今上天皇のあの(生前退位についての)「お言葉」について、こう評されています。 「象徴天皇のありようについて、ここまで詰めた人は他にいないでしょう。今上天皇は象徴天皇についての最大の思想家ですね。父である昭和天皇の未完に終わったとも言える「人間宣言」を、ほとんど原理主義的とも言える苛烈さと言いますか、極めて倫理的に厳しく貫徹しようとすると、「お言葉」になる。当たりは柔らかいけれども内容は強烈です。」 「丸山眞男は「戦後民主主義の虚妄に賭ける」と言いました。今上天皇の「お言葉」に深く説得された私としては、象徴天皇制の虚妄に賭けたいと考えます。」 対談のお二方とも、まさか象徴天皇ご本人こそが、身を以って戦後民主主義の最後の防波堤となろうとされている姿に深く感銘を受けながら、同時に、危機感を感じています。私も、まったく同感です。 明治日本~平成に至る近現代、天皇制がどういう位置付けで制度設計され、どうそれが暴走し、今や(と言うかいつか来た道?)再度、その在り方が、我が国の究極の論点になっている。そのことを端的に論じ切ったという意味で、他に類を見ない本だと思います。
by sergeant_cooper
| 2017-04-25 06:17
| 書籍・映画
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