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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『逆転の大中国史』(楊海英/文藝春秋、2016)
☆☆☆☆☆ 日本人は、中国の歴代王朝を暗記し、夷狄を討つため辺境の地に赴任する兵士の漢詩を学ぶ。しかし、実は、夏王朝から現在の中国まで一気通貫に歴代王朝が続いてきたかのような史観は間違っている。長城の外の草原には黄河文明とほぼ時を同じくして興った文明があった。青銅器を使い、漢字文明に取り込まれるのを嫌い、ルーン文字を使った人々もいた。 最新の考古学、文化人類学、言語学を駆使した、まったく新しい歴史書の誕生!(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 著者は、1964年、南モンゴルのオルドス高原生まれ。1989年に日本に留学し、別府大学、国立民族学博物館、総合研究大学院大学で文化人類学の研究を続ける。現在は、静岡大学人文社会学部教授で、2000年に日本に帰化されたとのこと。 邦題からして、何がどう「逆転の」「大~史」なのかと思いましたが、要するに、中華思想の観点、漢民族の伝統的な史観から「中国史」をみるのではなく、「辺境」「野蛮」と言われた遊牧民の目から眺めてみよう、というものです。 いや、目から鱗というか、こういう視点から見ると、いわゆる中国史が全然違って見えることに驚きました。伝統的な中華思想、漢民族の史観からすると、中原で四千年前に四大文明の一つが起こり、漢民族はその偉大な後継者である。辺境の野蛮な民族が武力に物を言わせて王朝を築いた時もあったが、それは例外。みな結局、漢民族に同化されてしまったように、中国文明は偉大なのだ、とくる。 が、周辺の遊牧民からすると、真逆でした。大体、ユーラシア大陸の東の果てで農耕などしている漢民族など、どうでもよい。こちらは、ユーラシア大陸を東西南北駆け巡り、文明、文化の交流に貢献し、作り上げているのだ。中国大陸で建立した帝国においても、漢民族が専制主義的な帝国しか作れなかったのと対照的に、異質の文化、宗教、言語に寛容で、大きくまとめ上げた大帝国を作った。 著者が文中で文献を引用していますが「負け惜しみの中華思想は、中国人の病的劣等意識の産物」。 確かに、そう言えるかも知れない。日本人は、歴史的に漢籍から文化や中国史を学んだこともあって、どうしても漢人の考え方に影響を受けてきた。が、著者が指摘するように、その漢籍自体が、このような「病的劣等意識の産物」だとすると、著者のようなもっと広い、「ユーラシア」の視点を身に付けるべきようにさえ思います(事実、世界地図を南北逆さまにしてみると、中国大陸なんてユーラシア大陸の端っこに過ぎない。ここに後生大事に住み着いている農耕民よりも、縦横無尽に駆け巡っていた遊牧民の方にこそ、よほど優越性があるように思える)。 たくさんの文献を引用されていることから、既に日本においても戦前から、同種の研究があったようですし、文献名を見て、私も見知ったタイトルはありました。が、これまでどうも「遊牧民」=文明=立役者と位置付けるのには、上記のような先入観が邪魔し、読むには至りませんでしたが、ようやく本著を読んで、「本当のところがわかった」気になりました。
by sergeant_cooper
| 2017-04-12 06:14
| 書籍・映画
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