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プロフィール
1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『掏摸』(中村文則/河出文庫、2009)
☆☆☆☆★ お前は、運命を信じるか?東京を仕事場にする天才スリ師。彼のターゲットはわかりやすい裕福者たち。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎。かつて一度だけ、仕事を共にしたことのある、闇社会に生きる男。木崎はある仕事を依頼してきた。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。もし逃げれば、最近、お前が親しくしている子供を殺す」。その瞬間、木崎は彼にとって、絶対的な運命の支配者となった。 悪の快感に溺れた芥川賞作家が、圧倒的な緊迫感とディティールで描く、著者最高傑作にして驚愕の話題作。第4回(2010年) 大江健三郎賞受賞。 これも知人のK氏からの推薦本。曰く「各国で翻訳されたベストセラー」だそうです」とのコメントあり。 これも初めて読む作家ですが、1977年、愛知県生まれ。福島大学行政社会学部応用社会学科卒業。2002年、『銃』で新潮新人賞を受賞してデビュー。04年、『遮光』で野間文芸新人賞を受賞。05年、『土の中の子供』で芥川賞を受賞と、錚々たるご経歴のようです。 さて、スリを生業にしている主人公が、「闇社会に生きる男、木崎」の接触を受け、とある人物宅への強盗に加担することに。仕事自体は木崎が段取り、主人公の仕事は家人を縛り上げること程度でしたが、翌日の新聞を見てみると、当該事件で議員が殺され、連鎖的に他の関係者も事故死、自殺と得体の知れない「波及」をします。事件に加担した他の「仲間」も消されたりする中、主人公自身は木崎から使いでがあるからという理由で「どこかへ身を隠せ」とのことで放免。 一方で、スーパーで母親からスリを強要された子供を助けた変な縁から、子供がまとわりつき、自責の念にかられながらもスリのテクニックを教える一方、こういう悪事をすべきではない、母親や愛人から虐待されているのなら児童相談所へ行けと段取ったりもします。主人公自身の半生からくる悔悟の念でしょうか。 さて、木崎との縁は切れたのかと思いきや、上記にあるように更なる「仕事」が。三つの仕事は主人公のスリの腕前をもってしても難しいものでしたが、それでもこなす。が、仕事を終えたところで木崎自身によって「消される」ー。 木崎が作中でモノローグ的に言っていましたが、人の人生(この場合は、木崎→主人公)を完全に支配することほど愉悦を感じるものはない。また支配される側にとってみても、それが運命だと味わい尽くせばいいのだと妙な理屈を展開します。 どこか、ニーチェや中島義道先生の議論に通底するものがある。 物語、木崎が消され、意識が遠のくところで終わります。何を思ったのだろうか。人生の不条理、理不尽さ。果たしてそういうことに想いを致したのだろうか。
by sergeant_cooper
| 2017-02-04 08:13
| 書籍・映画
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