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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『作曲家から見たピアノ進化論』(野平一郎/音楽之友社、2015)
☆☆☆☆☆ ピアノの誕生から現代まで、改良を重ねてきた楽器製作者たち、それとともに変化した作曲家と演奏家の楽器への要求、そして生み出されたピアノ作品の数々、新たな音の響きや演奏技術…。 例えば、《熱情ソナタ》に見られる強弱の遊びや超高・低音域の使用は、ベートーヴェンがエラールという楽器に出会わなければ生まれなかったであろう。 本書ではこうした、ピアノを取り巻く作曲家・楽器・作品のかかわりを描く。そして、著者はそれを「昔の物語」として終わらせない。 「作曲家=ピアニスト」という図式が終了した今、私たちは新たなピアノの可能性を探る必要に迫られているのだ。 自身が作曲家&ピアニストである野平一郎氏による、示唆に富んだピアノ進化論は、「クラシック音楽の未来」にも大きな課題を提示する。 (以上、出版社の内容紹介より抜粋) 雑誌「音楽の友」に2010年から2012年にかけて連載されたコラムを加筆修正したものとのことです。 上記にあるように、著者は、作曲家にしてピアニスト。フランスに留学して現代音楽に親しみ、数々の初演も行う。現在は、東京芸大教授という方。 ☆5点満点を付けるのは評価し過ぎかも知れませんが、こういう視点から論じた本って、まずないだろうという意味で大変貴重、かつ認識を新たにさせられました。 18世紀にピアノの原型が誕生してから、製作者によるピアノ自体の改良も進む一方、作曲家の側からの要請もあった。また、ピアノの改良が進み、これまでは不可能だった演奏表現が可能になり、これが作曲家の創作活動をさらに進ませた。このあたりの事情が、なるほどと納得するほどわかりやすく解説してあります。時には譜面を載せて。 ここまでの解説であれば、私もどこかで読んで知ってはいた。が、この本の凄いところは、著者自身が現代音楽に詳しいこともあり、20世紀の「現代音楽」化したクラシック界の事情もさらに織り込んでいるところでしょう。 ・ペダルの異なった使用法とか、 ・弦を手で直接押さえて音を出すとか、 ・無音の状態で鍵盤を押さえたまま、他の打鍵をして「倍音」を共鳴させるとか、 もっと新たなピアノの使用法が試みられてきたことまで解説し、果たしてこの3世紀にピアノと作曲家が手に手を携えて発展してきたような歴史が、この先見込めるのだろうか、とやや疑問を呈しています。もはや楽器としてのピアノは、衰退期に入った(=ので、新たなピアノ曲(の可能性)も出てこない)のではないかと懸念しています。 個人的には、現代音楽化したクラシックは、あまりにわかりにくいので全然興味はなく、別に19世紀の名曲の「再現芸術」としてのクラシックで全然構わないのですが、著者のような作曲家兼ピアニストという、いわば「最先端」にいる方から見れば、不安もあるという事情も何となく理解できる気がします。 非常に、視野が広く、クラシックとピアノという一言では括り切れない内容を持った本でした。
by sergeant_cooper
| 2015-10-13 06:12
| 書籍・映画
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