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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『狙撃』(フリーマントル/新潮文庫、1988)
☆☆☆☆★ 待たれていた男、チャーリー・マフィンがいよいよ帰ってきた。 MI6の上級職員として復帰した彼だが、待っていたのは経費にうるさい次長と無能な新人。憂鬱な日々を送っていたが、ある亡命ロシヤ人の情報から要人暗殺計画の存在を嗅ぎつける。暗殺者も標的も、日時も場所も判然としないその計画とは? チャーリーは独自の推理でテロリストを追う。待望のシリーズ第8作、遂に登場。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 前二作から一冊の分量が厚くなりましたが、本作も文庫で500ページ超となりました。 さて本作、亡命ロシア人(暗号担当者)への尋問によって、KGBが、英国を拠点として工作員(それも暗殺者)の手配を企てているとみたチャーリーは、またまた有り難いことに、理解のあるウィルソン部長の了解を得て、首脳会議が集中するスイスへ飛びます。CIA,スイス防諜部、モサドと四者がそろい踏みする中、チャーリーの懸念は憶測に過ぎないとしてなかなか理解が得られない。が、中途半端では終わらせられない気質の彼は、念には念を入れて当局の注意を促していった結果、何とか、工作員による狙撃を、現場での未遂で取り押さえることに成功するー。 肝心要の狙撃のシーンは、本当に本作のラストですので、そこまでの何百ページは、工作員ゼーニンのプロらしい下準備の様子や、チャーリーらが如何に手掛かりを追っていくかという緻密な描写に充てられます。解説で、フォーサイスの名作『ジャッカルの日』との比較に話が及んでいますが、取材した資料でお膳立てした舞台の圧倒感ではフォーサイスに軍配が上がるところ、スパイ活動の実際を描いた緻密さにおいては、「大学生と幼稚園児」ほどの開きがあるとしていますが、確かにそうかも知れない。 また、そろそろ冷戦構造が崩壊し、スパイ小説の環境そのものがなくなりつつある当時、さてフリーマントルは?との疑問に対しても、「本シリーズはスパイものとして括ることができない。ミステリー、企業サラリーマン小説、私小説、そして政治小説としての要素をも兼ね備え」「今後とも読むに耐えるものである」としています。 KGBやCIAこそ出てきても、チャーリーという、風采も上がらず、武器や格闘でのアクションは望めず、ひたすら自身の才覚によって、敵味方入り乱れる環境(スパイの最前線であっても。また、嫌味な次長がいる職場であっても)を主人公に据え、彼が巧みに生き延びる様は、見ていて感心させられます。
by sergeant_cooper
| 2015-04-22 06:25
| 書籍・映画
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