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1964年(昭和39年)7月8日生まれ。蟹座でB型。
広島市出身、東京都国立市在住。 学生時代は水泳部(ちなみに100m自由形のベストタイムが60秒ジャスト)。 一番の趣味はアメリカンフットボール観戦で、1992年以来のNFLファン。好きなチームはTennessee Titans。 好きなアーティストのコンサート(浜崎あゆみ、クラシック等)に行ったり、路上ライブで見つけた若手のライブに行ったり。ピアノを始めたのも近年のマイブーム。演奏の動画は、以下です。 「片想い」 「17才」 「サイレント・イヴ」 「Honesty」 「We're All Alone」 「スター・ウォーズ」 「Voyage」 「上からマリコ」 「希望の轍」 ブログパーツ
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『悲劇の発動機「誉」』(前間孝則/草思社、2007)
☆☆☆☆☆ 太平洋戦争の直前、天才的設計者中川良一は世界トップクラスのエンジンの試作に成功。海軍はどよめき立ち、生産に励むがトラブル続出。その原因を徹底追及した力作。(以上、出版社の内容紹介より抜粋) 東京帝大を卒業して入社僅か二、三年の若手技術者が突然、「栄」と同等の小型軽量ながら、2,000馬力の高出力エンジンの設計を任される。天才的な閃きも得たが、一方で高いオクタン価の燃料を使い、欧米では2,500回転・リッター当たり出力が30馬力程度のところ、3,000回転・50馬力というレース仕様並みとなりつつも、中島飛行機の幹部や軍部を熱狂させる。しかし、量産のしやすさを考慮していない設計、我が国の製造技術の未熟さ、熟練工の徴兵、高オクタン価燃料の途絶に遭い、試作後の耐久試験、量産は完全に難航する。一体このエンジンを生んだ環境とは何だったのか?これが著者の素朴な疑問でしょう。 確かに、零戦のような極めて高い目標を与えられて成功した戦闘機もあった。しかし、この、軍用エンジンとして一番大切な信頼性や耐久性を考慮に入れない「誉」を良しとしてしまった周囲や、多数の試作機を、現場からの突き上げに応じてどんどん進めてしまう軍部の無分別。欧米のような工業大国でさえ、戦略的見地に立った選択と集中で、狙ったエンジンや軍用機をしっかり開発・製造しているのに対し、地力で遥かに劣る当時の我が国が、一体どういう了見でこのようなプロジェクト、いや戦争そのものを考えていたのかを思うと、著者でなくても「言葉を失う」。 幸い、この戦争で鍛えられた技術者たちが、戦後の復興と高度成長、科学技術立国の大黒柱になってくれたのは良かった。が、著者も指摘しているように、身の程を知らずに高望みをして失敗続きのロケット開発のように、いまだ我が国は、技術を総合的に判断する力がない。 この本のような、文・理双方に目配りして総合的に論じた本がいろいろな関係者に広く読まれ、反省材料にしてもらうとともに、今後の糧としてもらうことを是非、期待するしかない。労作であるとともに、良書である。
by sergeant_cooper
| 2014-01-26 07:03
| 書籍・映画
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